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斜陽ミランでもついてくわ

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2017年までのシウヴァの契約延長が公式発表されたのは7月2日。移籍騒動の終結の際に代理人がちらつかせていたように昇給を果たしたらしく、メディアの予想によれば年俸600万ユーロ+ボーナスで、イブラに次いでビーニョと同じくチーム第二位の高給取りに。ともあれ一安心し、同じ日、ネスタのモントリオール・インパクトへの入団も決まり、あとはピッポの去就だけかな〜と思っていたのになあ…。またシウヴァ、そして6月にも噂になったイブラのPSG移籍交渉が始まってしまいました。

移籍関連の話の前に、9日の練習再開日にガッリアーニが話していたことはわりと重要だと思うのでまとめときます。(このコメントでイブラとシウヴァの移籍アリだとメディアが書き始めた)

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↑ビーニョとテングのパイナップル小僧っぷりとムンタリさんの木彫り人形っぷりに救いの笑い!


ミラネッロで練習再開に恒例のベル爺のヘリコプターから登場もなく、地味な始まり。それでもアチェルビ、トラオレ、コンスタンと最近のミランらしい堅実な選手補強で、あとはボメっさんの代わりになるレジスタをアッレグリは希望しておりました。

派手なベル爺の訪問と大型補強選手の華々しいお披露目といった昔を懐かしむガゼッタの記事があったけれど、現実の経済状況は厳しい。そういうことを説明する損な役回りを担うのがガリで、こんなコメントを残しました。

ガッリアーニ「ビッグネーム(獲得)は忘れる必要がある。我々は良い選手を見つけることに有能であり続けなくてはならない。この国の経済状況ではこのようなクラブを維持していくことは人間技を越えており、利益を生み出すことと両立できない。毎年、株主にお金を失わせ続けたまま前に進むわけにはいかないのだ。共同経営者の参入? 今のところはない」

「(イブラとシウヴァが)残留するかって? メルカートはとても長い。何が起こるか誰もわからない。8月31日の19時にミランの組織ができあがる。そしてそれはとても競い合えるものだろう。これについてはもう話したくない。メルカートでは予想できないことが起きるのだから、まだ全てがオープンだとだけは言える。昨年もそういうことが起きたし、今年も起こり得るだろう。おととしの夏、イブラとロビーニョが来るとは思わなかった。それに昨年のノチェリーノについても同じだ」

「アンブロジーニがビッグイヤーを掲げる2007年の写真にいつ戻れるか、私にはわからない。それはミランの問題ではなく国の問題だ。イタリアのクラブはスペインと比べて半分しか売上高がないし、補助制度がない。あるレベルの選手たちはもう我々のサッカー界では保持できない。今のミランにとって、イブラを2年前の条件で獲得することは無理だ」

「私は悲観主義者ではなく、現実主義者なだけだ。ミランがベルルスコーニ時代となって27年となる。この間にミランは28タイトルを獲得した。インテルは20でユーベは17だ。イタリアでは我々があらゆるものの前を行っている。カンピオナートで優勝し、チャンピオンズ・リーグとコッパイタリアでも良い成績を残すべく戦わなくてはならない。これが装いを変えた新しいミランだ。しかし我々は良く体裁を整えられる組織を持っている。とにかく我々はケガ人の多さを変えなくてはならない。それを矯正する人材を起用し、予防にもっと力をそそぎ、ミランラボのテストにより大きなスペースを与えよう」

 (最後に倫理基準について)「厳罰化したら悪化する」

(Gazzetta dello Sport 12/07/10 第2面)


私がこのブログを始めたのが2007年5月。前年にカルチョ・スキャンダルが起きて、ミランも審判担当職員メアーニが審判に働きかけた電話を傍受され処罰解雇。彼とアヤシイ(けれどグレーゾーンに留まった)会話をしていたガリも停職処分、クラブは監督不行き届きでポイント剥奪。それでもぎりぎり3位で06/07シーズンのCL出場が許されたものの、その裁判の間(B落ちもあり得る)将来の見通し真っ暗なあいだに、ほぼ獲得確実だったズラタンはインテルへ(思えばすごい運命だなあ…)。そうしたら、カカの神がかった活躍もあってなんと大耳ゲット!という、なんとも逆境に強い(追い込まれると力発揮するM体質かいっ!)イタリアらしい結果に。

でもこの頃から確実にイタリアサッカーの経済的凋落(それに伴うビッグネームの流出)が始まり、ミランも例外ではなかったため、ブログのサブタイトルには「絶対君主ベル様の奇行に耐えながら、がんばる選手たちに日々ツッコむ、斜陽成金ミラン応援ブログ」としたものです。その『斜陽』の進行が、カカがミランよりマドリーを選んだ時に強烈に思い知らされ、さらに『世界レベルの選手を全盛期で獲得するより、ミランでトップレベルになったら獲得される側』になりそうで、いよいよビッグネームを保持も獲得もできない状態まで来たんだなあ…と、ああこれはやっぱり寂しい!

ガリが言う『新しいミラン』とは『リーグ戦優勝を第一目標として、CLやコッパではなるべく善戦をめざすチーム』。ヨーロッパで強いミランがとても魅力的だっただけに本当に悲しいけれど、これが現実的な状況なんでしょうね。だからこそイブラとシウヴァの同時放出なんてことが『あり得る』こととして進行してるんだろうな(これに関しては次の記事にて)。

現地のファンはもちろんのこと、日本のミランファンだってこういう現実をなかなか受け入れられなくて、その悲しさやるせなさをミランのクラブや今回ならPSG、さらには選手本人にぶつけ、批難したくなるのも理解はできる。ただ私はそういう発散の仕方はしたくないので、見たくないし聞きたくない。スルーしたい気持ちです。あしからず。

もともと02年W杯でネスタとマルディーニのCBコンビに惚れて、「え!二人が一緒に見られるチームがあるの?!」と、ネスタ移籍の悲劇も知らずに能天気にミランを応援し始めた私。本来は中堅〜プロビンチャチームをひそかに応援するスタンスの方が性に合ってる気がするので、たぶんミランと最初に出会ってなかったらラツィアーレになってただろうな…な予感ですけれどもw

あのカルチョポリでミランがユーベと同様にセリエB落ちもあり得た時、一度は「働き盛りの選手たちがみんな移籍しても、絶対移籍しないだろうビリーとマル、それにユースからの若い昇格選手で一から出直しミランでも応援する!」と思い定めたわけだから、私は今後もミランがどうなろうと好きでい続けると思うのです。なんでこんなに義理堅いのか自分でもわからないけれども。そういう腐れ縁的にミランを好きでい続ける人、他にもいらっしゃるのじゃないかと推察します。でもクラブやチームの変化で離れる場合も多いだろうし、それで全くおかしくはないですよね。地元の縁やしがらみ、義理があるわけでもないのだから。

カルチョポリ当時のことを思い出します。あの当時のユベンティーノに今のユベントスの好転した状況は信じられないだろうし、一方ミラニスタだってここまでベル爺がお金出さなくなるとは思わなかったでしょうね。インテルの無類の強さ時代もしかり。あれから5年でこうなるのだから、この先5年でなにが起こるかわからない。そんなミランやカルチョの行く末を見続けるのもまた楽しからずや…とも思います。

それに、総白髪になったあかつきには、赤黒に染めたパンクな婆ちゃんミラニスタになるのが夢なのですから(半分真顔)

※ミランはケガ人削減のために医療体制をちょっとだけ改革しました。

医療部門の総責任者は(カッサーノの危機を救う迅速な対応をした)タヴァーナ医師の留任。ミランラボ創設者の一人でもある重鎮のアスレチック準備(トレーニング)部門総責任者トニャッチーニは契約が切れることから去就が注目されていたが、(退団したかミランラボだけで働くかは不明ながら)責任者はすでに副官として働いていたフォレッティ(アッレグリが招聘していた)が昇格。フィジオテラピストとして新たにブラジル人のマルセロ・コスタ(ケガしたシウヴァのオフシーズントレーニングを指導していた)が加入。リハビリ期間とピッチへの復帰との連携をとりもつアスレチックトレーナーについては(ミランラボ責任者のメールセマンが招聘していた)アメリカ人のビル・ティルソンが責任者に昇格。最近多発している筋肉のケガは復帰の時期を見誤り、急ぎ過ぎるから。この点についてティルソンは考えなくてはならない。おそらくトニャッチーニ時代とはそのトレーニング方法などが(筋肉に負荷を与え強化よりもエアロビックな方へ)変わるだろう(以上ガゼッタより)


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